その白さえ嘘だとしても 河野裕(著)階段島シリーズ第二作 新潮文庫書き下ろし

第2作にしてすっかり階段島の世界に馴染んでいるわたし(ああ、嵌められた感じ)。キャラの一人一人が確と立っているなかでも、メインの一人真辺由宇の直情さとそれを最も理解する僕・七草くんの屈折した優しさに寄り添っていると、思わず10代だった青春に還っている自分を感じる。青春小説って、そういう意味で言えるのかと初めて体感。

唯一(現段階では)納得しきれない箇所があって、それは(このシリーズがつづく中で解消されるかもしれないが)真辺さんの髪について長い方がいいみたいな発言を七草君がしている件り。そんなことを気にしている読者は、感情移入しすぎと言われるかもしれないが。第三作も読もうとおもう。

参考:シリーズ第一作『いなくなれ、群青』

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。