若年時代には若年の哀しすぎるほど鮮烈な一途さがあり、晩年には年輪相応の豊かな余情が宿っていて、各年代の歌集どれにも、お気に入りがある。
第一歌集『群鶏』から
- つきつめて思ふは苦し庭おもて沈丁に寄る冬の蠅あり(昭和11年、23歳)
- 靴の下になよめく芝を踏みて立ち心し寂し人も憶へば(昭和14年、26歳)
第十一歌集『純黄』(昭和61年、74歳刊)から
- ひげそらぬ我の陰口ミヤリイノ・シュージノヴィッチと呼ぶ友のあり
- テレビなど今日見てゐしがホウレンソウ食べしポパイの如くはならず
- 映画にしなければならないもの(INTERVIEW)瀬々敬久・佐藤健・阿部寛/キネマ旬報2021年10月上旬号
- 小早川秋聲 旅する画家の鎮魂歌/回顧展公式カタログ兼書籍
- シンポジウム「明日に向けて、何をどう書いていくか」日本児童文学者協会2021公開研究会/案内リーフレット
- 「ぞうもかわいそう」再びー『かわいそうなぞう』の虚偽(筆)長谷川潮/『日本児童文学』2021年9・10月号特集「伝える」を問い直す
- レイシズムを考える(編)清原悠
- 咀嚼不能の石(筆)古矢旬/『図書』岩波書店定期購読誌2021年9月号巻頭
- 読書の敵たち(筆)大澤聡/『図書』岩波書店定期購読誌2021年9月号所収
- 宵の蒼(著)ロバート・オレン バトラー(訳)不二淑子/「短編画廊 絵から生まれた17の物語」所収 (ハーパーコリンズ・フィクション)
- 木村素衞――「表現愛」の美学 (再発見 日本の哲学)(著) 小田部胤久
- たまごのはなし(作・絵)しおたにまみこ