『図書』の編集後記(こぼればなし)は編集者の本音(あるいは、そうと思わせたいモノ)が溢れていて興味深いのだが、今号では迫り来る東京オリンピックネタに因んで、前回1964年の東京オリンピック直前・直後に『図書』でどう扱っていたかを追っている。これが、何より面白いのだ。
(直前の一〇月号。)……しばらくの間はオリンピック東京大会で日本は何となくあわただしく、賑やかで、はかないものが一杯であろう。出版界ではオリンピックに関する出版物は少ないようだ。それでよいのだと思う。
(開会後の翌一一月号。)……オリンピックがはじまってから小売書店の売上がたいへん減ったというのである。恐らく読書人もテレビの前に坐っているのであろう。
出版業界人の思いと、読書人の思いの乖離といえるんじゃないかな。さあて、2021東京オリンピックの場合はどうなるか、ぜひとも異同を調べて報じて欲しいな。