表紙のタイトルと絵を見ただけで、ゾクッとした児童文学。そんな店名の喫茶があるなら誰しも行きたいと思うに決まっている。その時点でもう魔法にかかっているのだ。このカフェの内外に起こる不思議な出来事は、ふしぎと思った瞬間魔法なんだけれど、その不思議さと単なる偶発性のバランスがこの上なく心地よい。オチもナイス。子どもらだけに読ませるのは勿体ない本を見つけ出したと感じるのも、実は作者の魔法にちがいない。
最近の読書10冊
- EREWHON エレホン サミュエル・バトラー(著)武藤浩史(訳)
- 失われた芸術作品の記憶 ノア・チャーニイ(著)服部理佳(訳)
- 問いかけるアイヌ・アート 池田忍(編)五十嵐聡美・貝澤 徹・小笠原小夜・吉原秀喜・高橋 桂・中川 裕・山崎明子・池田 忍(著)
- 撤退の時代だから、そこに齣を置く(執筆)赤坂憲雄(『図書』岩波書店定期購読誌2021年1月号/往復書簡「言葉をもみほぐす」最終話)
- 絵本の本 中村柾子著
- 藤井聡太 すでに棋士として完璧に近い(谷川浩司筆・文藝春秋2021新年特別号所収)
- 石たちの声がきこえる マーグリート・ルアーズ(作)ニザール・アリー・バドル(絵)前田君江(訳)
- 国旗のまちがいさがし 苅安望(監修)
- ひみつのビクビク フランチェスカ・サンナ(作)なかがわちひろ(訳)
- あしたはきっと デイヴ・エガーズ(文)レイン・スミス(絵)青山南(訳)