昨日の今日で、さっそく大森先生の本を探しに、近所の古本屋へ行けば、あった! 何十年ぶりで再会しても大森荘蔵先生のことばは一々深度が違うのです。
哲学的問題を日常レベルの場に引きずり落して論じて魅せる、これぞほんものの哲学者なのだと感服。字数の限られたエッセイはどこから読んでも、そこを突きますか? というほどに鋭いツッコミに満ちている。
たとえば「論理的」ということについて、それはそれほど理路整然としているのか、むしろ冗長こそ特性と指摘して始まるのだ、と。それでいて最後には、論理的な話題を、神にとっては理路整然とした冗長であるのかもしれない、と巧く落とし込んでいる。