大震災、大津波の被災地のその後を、仮設店舗をいとなむ独身男と母とわずかばかりの客の日常から描いている。リアルなら報道からこぼれるであろう、ささやかな不安の連鎖反応。被災者とそうでない者、健常者とそうでない者、そんな区分けに意味などあるのかと、読みながら反芻してしまう・・・・そんな「はんぷく」の日常と男の妄想世界に足を踏み入れてゆく佳作。
なんてことはないが個性的な譬喩がひかる。。。。たとえば、
眼球が落下しそうなまでに見つめている。
老衰しかけた穴熊みたいなゆっくりとした動作で起き上がると、・・・