言葉と歩く日記(岩波新書)

日本語とドイツ語で小説を書き、真摯に言葉に向き合ってくらす、同世代人・多和田葉子さんの日記。まったく異なる言語を駆使している物書きの方だけあって、感性が研ぎ澄まされているのは格別なんだけれど、庶民感覚(に近いところ)で驚いたり感嘆したり疑問をもったりされている姿に、いっしょに棚しませてもらえる。とあるパーティーポツダム大学の先生ハイケ・ヴィーゼさんが職業を聞かれて、「言語学者です。名詞類複合と数詞の研究をしているんです」などと答えると会話がそこでとぎれてしまうが、「若者言葉の研究をしているんです」と言うと、大抵の人が目を輝かせて、自分の意見を語り始めると言う・・・なんて話がわんさか。

 

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