著者はうまれつき酒が大好きで、政治談議も大好きな南海仙漁。とあるけれど、中江兆民のペンネームとばらしてしまってもおもしろみは半減しない。現代語訳でたのしく一気に読んでおいて、あとからちょこちょこ原文対比して明治の空気にふれるのがいいかも。
内容(「BOOK」データベースより)
一度酔えば、即ち政治を論じ哲学を論じて止まるところを知らぬ南海先生のもとに、ある日洋学紳士、豪傑君という二人の客が訪れた。次第に酔を発した三人は、談論風発、大いに天下の趨勢を論じる。日本における民主主義の可能性を追求した本書は、民権運動の現実に鍛え抜かれた強靱な思想の所産であり、兆民第一の傑作である。現代語訳と詳細な注を付す。