西欧史における一角獣像の邪正双方イメージのひろがりは、そもそもキリスト教の旧約聖書の誤訳に始まったのだという。ヘブライ語のReém を「野牛」とすべきところ、見たことがないもんだから幻獣「一角獣」にしちゃったとか。70人訳なのに、みんなで訳せば怖くないってよ。それが千数百年もまかり通ってたんだって。わたしは、そこを突いてキリスト教を罵倒しようなんてケチな料簡じゃない。人類の歴史って、そんな誤訳・勘違いがあればこその人間らしさにちがいないのだ。現代人が信じ切っている常識なんてものも所詮似たり寄ったり・・・と後世のひとは笑うんだろうな。
なお、現在のキリスト教聖書ではそしらぬ顔して「野牛」になってるという。