辞書風物誌

昭和48年刊行の函入本。著者は(日本の)辞書をあつめること40数年、2500冊を超えたという。明治初期から昭和当年までの、わずか100年で辞書の世界はめまぐるしく変遷をとげている。辞書は時代を映す鏡、ということが如実にわかる・・・それ以上に奇妙奇天烈辞書の多くて、どこを読んでも面白い。

昭和7年・性行辞典なんてのは、陸軍将校が部下の勤務評定をするときの言葉の辞典であって、けっして卑猥なたぐいではない。

たとえば、任侠・・・男気あって、人のためには一身の利害もかまはず為すこと

使酒・・・酒の酔酸を借りて平素の胸ばらしをすること

 

昭和7年・モダン新語大辞典によると、

ヨー言わんわ・・・「ヨー言わんわ節」から出た言葉で、……例へば野球で打者が大きなフライを打って出て、外野手是(これ)をよう捕るまいと思ひの外、美事に受け止めた時、打者は「ヨー言わんわ」といふ。……

 

昭和10年・万国新語大辞典では

トンボリガール・・・大阪の道頓堀を中心に住むカフェーの女給や不良少女。

パラシュートガール・・・落下傘で飛行機から飛びおりるセンタン的おてんば娘。

マジ? 

 

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