正解するマド

【内容】

テレビアニメ『正解するカド』 から生まれた、もう一つの「正解」。 衝撃のスピンアウトノヴェライズ 
野崎まどが脚本を手がけたTVアニメ『正解するカド』のノベライズを依頼された作家は、何を書けばいいのか悩むあまり精神を病みつつあった。次第にアニメに登場するキャラクター・ヤハクィザシュニナの幻覚まで見え始め……傑作SFアニメから生まれたもう一つの「正解」とは――衝撃のスピンアウトノベライズ

 

【所感】傑作?SFアニメのほうを観ていない人間が読んでもおもしろいのか? 

そういう疑問を解決するためにだけ読んだ、のだが、結果はまずまず、たのしく一気に読めた。

だからといって、元のアニメを見ようとは思わないけどね。その程度。

 

多重次元というか異空間をあつかっていることになってるが、元のアニメの作中キャラがノベライズ作家の前にあらわれて繰り広げるノンフィクションもどきの展開。そこでは作品と観客の世界が交錯し、さらに現にこの本を読んでいる読者(つまりわたし)をも、その世界に取り込んで正解探しをさせようとの趣向。それだけ。

 

実験小説的なひとつのありかた、として楽しく読める。でも、100年先まで楽しめるかというと、無理な気がする。リアリティが決定的に欠けている。殺人するとかしないとか、ことばが動いても観念的にうつる。物語が視覚的な新鮮さを提供しつつも、無味無臭なのだ。いわばバーチャル体験のアレンジって感じ。

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