「おばさん」がいっぱい(執筆)三辺律子(『図書』岩波書店定期購読誌2021年4月号/本をひらいた時)
そんなこと考えたこと無かった。少し前の時代、英米文学に登場するタフで魅力的な「おばさん」たちの、秘密! なにゆえに若い女性でなかったのか? 最近映画化された(?)チャールズ・ディケンズ作『デイヴィッド・コパフィールド』(…
そんなこと考えたこと無かった。少し前の時代、英米文学に登場するタフで魅力的な「おばさん」たちの、秘密! なにゆえに若い女性でなかったのか? 最近映画化された(?)チャールズ・ディケンズ作『デイヴィッド・コパフィールド』(…
サローヤン氏のこの写真、この口髭ポーズは希有かも。今、なにゆえにW.サローヤンさんなのかといえば日本児童文学最新号で皿海達哉さんが彼の著の一節として「人類と呼んでいいのは赤ちゃんだけ」を紹介していたから。 ならば、どんな…
25年後の子どもたちへ、と題した特集「ひとこと集」。ひとことっていうのは大抵「それ長いよ」と思うが、マジで一言だと「短すぎ」と感じるのが常ではないか。その意味では節度あるひとことが並んでいる。最短のひとことは、武鹿悦子さ…
これは新カフカ論に見せかけたテクスト論風の小説として愉しもう。わたしは大好きです、明星さん。(と書くと著者個人に恋していると錯覚する御仁もあるやもしれないが、まあいいです。)作家の作品を作者の人生から切り離して鑑賞するの…
偶々手にした一冊の本を読むときには、本当は予備知識無しで読みたいもんだが、余分な情報が邪魔する。売り手にすれば必要なのかもしれないが、読み手にすればドキドキワクワクが目減りする。あああああ。極端なことをいえば、わたしは小…
敬慕する小川洋子さんの短編小説に登場する一冊。掲げた写真(左)は文中描写にもとづいてわたしが作ったイメージ画像だから、書店サイトで検索しても存在しない。というのも、この短篇集の冒頭をかざるのがクラフト・エヴィング商會さん…
どちらから読むか。(驚くほど記憶にない? もしかして、かつて、読もうと思っただけだったか) 最近の読書10冊(予定を含む)
東日本大震災から10年という話題をかくも見事に終戦直後日本の復興と重ね合わせた文章は、初めて目にした。奇を衒うことなく、「枇杷」を機縁としたリアルな実感が伝わってくる。さすが多年の作家人生のなかでも宮城県人とし大震災を扱…
みごとに予想を裏切られた♪ タイトルも、切り口も、そして何より結末も。もっともらしさの代表格として標的にされたのは「神」の「もっともらしさ」だった。まず、ここでギョッとしたのは神の存在そのものを論じ出すのかと見えたからだ…
最終章(第4章)の話題は「北アフリカ症候群」という1952年発表の(一応)医学的問題。一応というのが肝だ。医師として当時の北アフリカ人(主にアルジェリア出身のアラブ人移民労働者)に見られる症例を見たF.ファノンさんは彼ら…