誤作動する脳(著)樋口直美/シリーズ ケアをひらく
最後まで読んで、半分泣きそうになって笑ったのは久しぶり。一から十まで想像を絶する、著者の脳機能障害の苦闘に同情したわけでもなさそうで、どちらかと言えば彼女の発する逞しい「ヘンな人」感とそれを肯定する力にふふふと惚れてしま…
最後まで読んで、半分泣きそうになって笑ったのは久しぶり。一から十まで想像を絶する、著者の脳機能障害の苦闘に同情したわけでもなさそうで、どちらかと言えば彼女の発する逞しい「ヘンな人」感とそれを肯定する力にふふふと惚れてしま…
我レ怪ヲ愛ス、とのたまう北村太郎さんの絵が好き、わたしは。 基本、イヌ派のわたしであってもネコ絵やネコ写真には惹かれる。それ以上の収穫は「猫に名前をつける」というT・S・エリオットの詩を真に受けて猫には3つの名前が必要と…
なにゆえに今、ヘルダーリンの詩を読むのか、自分の頭を整理しておこうと念う。発端は本年発刊されたジャック・デリダの本『哲学のナショナリズム』が読みたくてウズウズしたことに始まる。デリダの幻の84年講義「ゲシュレヒト」が謎に…
星野博志さんの版画タッチもことばセンスも愉快なうえに、この詩画集の出来といったら星野ワールドを奇天烈の極みに高めているんじゃないかな。OH!全部の写真をアップしたいほどだ。息が合っているとは、こういう人たちのことなんだと…
「言葉」と「ことば」を使い分けている著者のこころねが愛おしい。ろう者に対してつい「やさしいふり」をしてしまうわたしが居るのを実感させられるが、それ以上に、感動するんだなあ、エピソードのどれもこれも。聴者家族に生まれた聾者…
作者の策に進んでハマって愉しい。ここに収められた24篇のエッセイはハッキリ言って新しくない(2011~2017年執筆)のだがあまり意識しないし、わざわざ前書きにつづいて「著者からのお願い」と題して、読み飛ばしていただいて…
2011年の原発事故以降、WEBでは「福島と日本」に関して信頼に足る客観的情報源を(唯一あるのを除けば)わたしは見つけられずにいたのだが、待望というに値しそうな本書を偶然見つけて即買い。で、驚く。WEBで唯一注目していた…
『図書』の編集後記(こぼればなし)は編集者の本音(あるいは、そうと思わせたいモノ)が溢れていて興味深いのだが、今号では迫り来る東京オリンピックネタに因んで、前回1964年の東京オリンピック直前・直後に『図書』でどう扱って…
小気味よいテンポで文章の波が五感すべてに作用してくる、といった感覚にひたる。とりわけ嗅覚、触覚がリアルに沸き立つような表現たちは気持ち悪い部類のはずなのに、さらっとしていて不快感を引きずらず、物語の進行を妨げないでいる。…
本が届いた! 読書のまえに・・・すこぶる気になっていたことを確認する。表紙絵の黄色い人間?の正体は、ストレッチマンではなくて良かった。逆さになった女性であることが判明。ということは、池から突き出て見える二本の足は、その女…