落葉隻語 ことばのかたみ

免疫学の世界的権威であるおじいちゃんが2008年~2009年に読売新聞に連載したエッセイ集。あとがきで自らの末期癌生活を告白しているが「かたみのことば」ではないと断じている。単なる書き散らしと謙遜しつつも、「書き散らしにも真実はあると思う」と括っている。

昔日の医局を懐かしんだ一文では、先輩の失敗談を聞けた環境によって医療過誤の情報共有と伝承がおこなわれていたと記す。医の心は(徒弟制度の有効性によって)人から人へ伝えられると熱く語る。昔話で終わってはなるまい。

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