毒薬としての文学―倉橋由美子エッセイ選

今日はまたちょっと懐かしい小説家のエッセー集。さすがの毒舌である。

「文学的人間を排す」と題された一篇では、(今となっては昔の)髪の長い青年男子と文学的人間の相関なんぞを分析しているのだが、ムキになって毒を排している様子が愛おしくさえある。氏にかかればマスコミは怪獣扱いで、一方で敬愛すべき御仁に関しては実に見事な形容をもって紹介される。そんなメリハリがまた痛快だ。

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