とてつもなく明快で、わかった分だけ興奮する名著。執筆依頼から2年半もかかってる間に、重力波検出という歴史的事件が世間をさわがせ、かれの研究の進展と世間のニーズがともに高まったのは幸運の極みだ。表現をかえれば、天の思し召しとさえ言えそうなグッドタイミング、グッドジョブだ。ブラックホールのことがちんぷんかんぷんな読者におすすめ。
著者は、1973年生まれの国立天文台理論研究部/天文シミュレーションプロジェクト助教にして、望遠鏡を見ずにコンピュータ画面ばかりみてる理論家。素人目線の解説がかれの優しさの象徴だ。