うたうかたつむり 野田沙織詩集
1979年生まれの詩人を知った時にはすでに死後1年とは。読む前にそう知ったためだろうか、切なさを感じてしまうのは。否、まるで童謡のようなあどけなさを一杯拡げているのに、エンディングには、ちゃんと大人の女性が佇んでいるから…
1979年生まれの詩人を知った時にはすでに死後1年とは。読む前にそう知ったためだろうか、切なさを感じてしまうのは。否、まるで童謡のようなあどけなさを一杯拡げているのに、エンディングには、ちゃんと大人の女性が佇んでいるから…
広島原爆の日の新聞にノンフィクション作家・堀川惠子さんが熱く語っている。ほんとに熱い記事だ。 「明治以来、日本最大の補給・輸送基地だった宇品は米国の原爆投下に絶好の口実を与えた。(中略)新兵器を試したい米国には、どこでも…
今朝の愛媛新聞2面「季のうた」に自由律俳人橋本夢道さんの句が採り上げられている。 みつまめをギリシャの神は知らざりき 橋本夢道 その昔、東京銀座の甘味店のために考えられた句だという。夢道さんは1974年に71歳で没してい…
最後まで読んで、半分泣きそうになって笑ったのは久しぶり。一から十まで想像を絶する、著者の脳機能障害の苦闘に同情したわけでもなさそうで、どちらかと言えば彼女の発する逞しい「ヘンな人」感とそれを肯定する力にふふふと惚れてしま…
我レ怪ヲ愛ス、とのたまう北村太郎さんの絵が好き、わたしは。 基本、イヌ派のわたしであってもネコ絵やネコ写真には惹かれる。それ以上の収穫は「猫に名前をつける」というT・S・エリオットの詩を真に受けて猫には3つの名前が必要と…
なにゆえに今、ヘルダーリンの詩を読むのか、自分の頭を整理しておこうと念う。発端は本年発刊されたジャック・デリダの本『哲学のナショナリズム』が読みたくてウズウズしたことに始まる。デリダの幻の84年講義「ゲシュレヒト」が謎に…
星野博志さんの版画タッチもことばセンスも愉快なうえに、この詩画集の出来といったら星野ワールドを奇天烈の極みに高めているんじゃないかな。OH!全部の写真をアップしたいほどだ。息が合っているとは、こういう人たちのことなんだと…
「言葉」と「ことば」を使い分けている著者のこころねが愛おしい。ろう者に対してつい「やさしいふり」をしてしまうわたしが居るのを実感させられるが、それ以上に、感動するんだなあ、エピソードのどれもこれも。聴者家族に生まれた聾者…
作者の策に進んでハマって愉しい。ここに収められた24篇のエッセイはハッキリ言って新しくない(2011~2017年執筆)のだがあまり意識しないし、わざわざ前書きにつづいて「著者からのお願い」と題して、読み飛ばしていただいて…
2011年の原発事故以降、WEBでは「福島と日本」に関して信頼に足る客観的情報源を(唯一あるのを除けば)わたしは見つけられずにいたのだが、待望というに値しそうな本書を偶然見つけて即買い。で、驚く。WEBで唯一注目していた…