若年時代には若年の哀しすぎるほど鮮烈な一途さがあり、晩年には年輪相応の豊かな余情が宿っていて、各年代の歌集どれにも、お気に入りがある。
第一歌集『群鶏』から
- つきつめて思ふは苦し庭おもて沈丁に寄る冬の蠅あり(昭和11年、23歳)
- 靴の下になよめく芝を踏みて立ち心し寂し人も憶へば(昭和14年、26歳)
第十一歌集『純黄』(昭和61年、74歳刊)から
- ひげそらぬ我の陰口ミヤリイノ・シュージノヴィッチと呼ぶ友のあり
- テレビなど今日見てゐしがホウレンソウ食べしポパイの如くはならず
- EREWHON エレホン サミュエル・バトラー(著)武藤浩史(訳)
- 失われた芸術作品の記憶 ノア・チャーニイ(著)服部理佳(訳)
- 問いかけるアイヌ・アート 池田忍(編)五十嵐聡美・貝澤 徹・小笠原小夜・吉原秀喜・高橋 桂・中川 裕・山崎明子・池田 忍(著)
- 撤退の時代だから、そこに齣を置く(執筆)赤坂憲雄(『図書』岩波書店定期購読誌2021年1月号/往復書簡「言葉をもみほぐす」最終話)
- 絵本の本 中村柾子著
- 藤井聡太 すでに棋士として完璧に近い(谷川浩司筆・文藝春秋2021新年特別号所収)
- 石たちの声がきこえる マーグリート・ルアーズ(作)ニザール・アリー・バドル(絵)前田君江(訳)
- 国旗のまちがいさがし 苅安望(監修)
- ひみつのビクビク フランチェスカ・サンナ(作)なかがわちひろ(訳)
- あしたはきっと デイヴ・エガーズ(文)レイン・スミス(絵)青山南(訳)