今どきの若者は、なんて話題はいつの時代にもあるとはいえ、その実態は○○世代なんて言葉に象徴されて、しかもみな○○世代を背負ったまま加齢していく。そうした流れについては、周知であったと思われるが、今や、アイデンティティの多元化という概念が生まれていた。つまり、「わたし」にはいろんな顔した「わたし」が同居しており、しかも年齢とともに多元性が減少する傾向にある・・・と分析されてるらしい。ややこしいのは、その多元性概念が今の10代、20代の将来にどうなるかは未知数という面白さにある。
本書はそのあたりを旧版より増補した、あたらしいアイデンティティ論なのだ。