メディア不信 何が問われているのか(岩波新書)

著者は日本のメディアを知るためには外国のメディアも知らなければならないことを身を以て体得した、海外の大学を渡り歩いた研究者だ。著者も憤慨しているが、ドイツメディアのかかげるスローガンの異常さは、ピンとこないものがある。放送メディアの目的として、ドイツと欧州の統合が謳われているのだ。(もちろんドイツでは異常でもなんでもないんだろうけど。)危険なんじゃないの? 

 

ほかにも随所に未知の情報があふれていて、新書ながら読み応えがある。著者の訴える「ポジティブな不信」には大いに共感した。現実の日本におけるメディアへの視線は、ただの批判に終始したり、不信というより無関心に近くなっているのかもしれない。それは国民だけの問題では無さそうだ。メディアの在り方そのものが閉鎖的すぎて国民から遠いんじゃないか。

 

この著者に今後も注目したい。50代半ばで、まだまだ面白く進化しそう。

 

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