戦争論(上)中公文庫 (著)クラウゼヴィッツ (訳)清水多吉

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「あらゆる組織における決断とリーダーシップの永遠のバイブル」との位置づけで読むのは、一般読者には千年早い。はっきりいって戦争について現実味をもって考える時に読む本だ。

平和ボケ日本でも本書を通じて将来戦を想起研究している研究会(という名の右翼)があるのをわたしも今般ようやく知って、空恐ろしくなった。

ナポレオン時代を経て生まれた戦争論の古典でありつつも、欧米諸国の戦争観、戦争目的と手段を考えるうえでは必須にちがいない。最大の眼目は、実践論に依拠しつつも、そもそも戦争とは何かを実例に即して究明し、さらに終結や停戦の要件条件について探求している点ではないか。それをふまえて、戦争放棄のもつ意味を改めて考えることも意義がある、それが本書の第一印象だ。

右翼にだけ読ませてないで、戦争放棄平和主義者も読まねば。

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