上野千鶴子 情報生産者になる(ちくま新書)

正しいタイトルは「情報生産者になる」であって、上野千鶴子著だった。新書の表紙を読み間違えたといえるのだが、もともと上野先生のインパクトが強いから勘違いさせられた、とみるのが妥当かもしれん。

 

本年71歳の先生のパワーは円熟してるぞ。かつての鋭利さだけでなく、若者相手に余裕たっぷりの年季を感じさせる。(いい意味で。)

国会では議論は成り立っていませんね。・・・あの時間稼ぎのすれちがいやはぐらかしを、子だもたちが議論だと学ぶのは困りものです。おっと腹立ちまぎれに横道にそれました。(p.32)

 

ありうるが見落としている限界を指摘されたら、必殺のディフェンス・ワザがあります。・・・「ご指摘ありがとうございます。今後の課題にさせていただきます。」(p.89)

 

読み手としてのわたしは、書物を手にとるとまず目次をじっと見ます。目次を見ればだいたいその本のレベルがわかります。・・・気がつけば表紙から裏表紙まで読み終わっていたということはまれです。そういう読書の快楽を味わわせてくれる本とは、めったに出会えません。(p.252)

 

本の著者としては、何年もかけて書き上げた本の内容を、一時間の講演で話してくれ、と言われるほど、むかつくことはありません。・・・身を切り刻んで書いた文章のほうを、きちんと読んでほしい、と思います。(p.332)

 

※(先生に言えば、きっと眉間にしわを寄せられるとは存じますが)先生の男らしさが好きです。

 

 



 

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