『モモ』は出だしから個性的だと、ドイツ語原文の解説から始まる。昔話はたいてい「Es war einmal」(英語の Once upon a time と同義)で始まるのに、『モモ』は「In alten, alten Zeiten」(すごくむかし、むかしの時代のことです)となっているらしい。通常の児童文学は(世界中)いつだか特定されない時代設定が定番だが、モモでは冒頭に、現在と明確に隔絶した時代を描き、そして本編が「今は」と始まるのだ。
著者の臨床心理学者・河合俊雄さんは児童文学「モモ」の解釈を楽しみつつ、物語としての面白さ、意味を知ることによる面白さにも注目して多面的に受け止めていくと表明している。
第1章に、とても興味深い引用の記述と解説が。
(モモが一人で円形劇場跡の一角に座ってすごす印象的なシーン・・・)
こうしてすわっていると、まるで星の世界の声を聞いている大きな耳たぶの底にいるようです。そして、ひそやかな、けれどもとても壮大な、ふしぎと心にしみいる音楽が聞こえてくるように思えるのです。
著者(河合さんのこと)は、この星空と音楽について、仏教の悟りの世界、マンダラ(曼荼羅)を想起させると仰る。うーん、もひとつよく分からんが、第3章で細説するらしい。。。わたしもここまでしか読んでいないゆえに、以下略。
ちなみにNHKテレビで今日の昼、第一回放送(再放送)を聞いたばかり。TVはTV、テキストはテキストの味がある。