花と羅漢と 萌庵だより

書家と称さずに書の個展を開いている詩人・墨人の山本萌(もえぎ)さんのエッセイ集。なにげない日常を綴っておられるだけなのに、詩情ゆたかなのだろう、実におだやかな気持ちにさせてもらえる。そんな彼女が気まぐれ(?)で町の書の展覧会に応募して自ら観に行ったら、面と向かって悪評のうえ落選された話は痛快。つまらん作品たちが受賞していた模様。まさに、知る人ぞ知る、を地でゆくエピソード。名声を求めず、淡々とわが道をきわめつづける生き方はお見事。

 

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