アンタッチャブル・レコード;未曾有の記録をつくった伝説のプロ野球選手

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1955~57年に28連敗という不名誉な記録を立てた、プロ野球権藤正利投手について「負け続けてもこれだけ試合に出たのは高い実力を証明している」と称賛したのは江夏豊さん。

今朝の愛媛新聞コラムでは「弱小球団にいた悲運だろう」としつつも、「首脳陣の揺るぎない信頼」とも。(コラムでは、権藤投手を引き合いに、ちっとも表舞台に立たない現政権の首相を揶揄している。)

わたしはよく存じ上げないので、Wikipediaを覗いてみると、左半身不随の少年時代をへての活躍であり、現在86歳でご存命(ご健在?)のようだ。数字以外にも多彩なエピソードがあって、あらためて野球史に残る方と拝察した。

また、ある意味で偉大(あるいは珍妙)な記録は、単に個人の能力だけの問題ではなく、当時の野球界の(ファンも含めて)個々人の存在・関係性のうえに成立していることを思い知る。名誉であれ不名誉であれ、表舞台に立つ人間のまわりや背後に、数多くの個人もまた「厳然と存在する」。それが歴史をつくるのだ。

 

本書の著者・柳本元晴さんもまた興味深い。広島出身の週刊ベースボール元編集長で、野球愛が強いのだろう。フリーのライターになっても野球を追っかけている。やはりカープファンなのだろうか? 近著に『カープのスカウト 宮本洋二郎: マエケンカープに導いた男』(2017年刊)てのがある。

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