時間は水銀のごとく地に落ちる 夏宇詩集

現在、台湾で話題の詩人夏宇さん、ついに邦訳登場。WEBで見かける配色は何かちがう気がするので手持ち本を撮影。

著者は翻訳に随分懐疑的だったらしく、わざわざ巻末に訳者の苦労談まで添えてある。タイトルも邦訳版として、わざわざ別に選出されたとのことだが、わたしの脳天はそれで見事に射貫かれた感じ。

なのに「時間は水銀のごとく地に落ちる」と題された詩そのものは、ピンとこないので変な気分。お気に入りのフレーズが随所にあって愉快になる。

たとえば・・・

のこぎり状の真理について考えつづける

 

睡眠は古くからの運動だ

 

噴水はたしかにある種の虚言癖のある患者のよう

 

なぜなら出発はもう意味がなくなったが到達はまだ神秘だから

 

歯医者にある最新号の『覗き魔』通信

 

彼女は「どう折り畳まれてもけっこうよ」といった表情をしている



 

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