「筆洗」歳時記(林伸太郎箸)

「筆洗」は東京新聞のコラムの名称。担当記者としては先代の堀古蝶俳人でもある)が聳えていて、同名の書がシリーズである。林伸太郎の本書の評価はやや低いみたいだが、わたしは好き。さらりと読みやすいので軽く見てしまいがちだが、精緻な組み立てを毎日つづける力量には敬意を表する。連日、一つの話材にからめて何人もの作家や芸術家がでてくるのに、ごちゃごちゃしないで、わくわく感がある。

 

ただ印象として、(実際の紙面をみたわけではないので本書収載のコラムに限ってのはなしだけれど、)著名な作家等の最期にまつわる話が多い気がする。かといって湿った展開でなく、重みを加えているようだ。

付け加えるなら、出版社の青蛙房の奥付検印も好きだなあ。

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。