戦後史の解放II 自主独立とは何か 前編: 敗戦から日本国憲法制定まで (新潮選書)

現行憲法はGHQに押しつけられた憲法にすぎないのか。GHQと日本国政府の外交的駆け引きのドラマが描かれている。昨今の憲法改正論議では憲法九条ばかりが取り沙汰されるが、何を守る議論なのか。かつて天皇制存続に命をかけ翻弄された昭和20年当時の政治家が最後守りぬいたものは天皇制であった。ただし、そこに至る思考が多様であった事実と、天皇の英断といわれる決定が流れを決めたこと、その延長に今の政府があることをまず認知しなければなるまい。(一国の政府とはそういう性格のものなのだ。)

 

今や、英断を下す者は誰なのか。下せる者がいるのか。また、日本国を守ることと国民を守ることの異同を歴史から学ばなければ、われわれは道を誤るであろう。また、国際情勢を見極める外交能力に長けた者があればこそ現行日本の発展があったことを思い知らなければ。

 

(付記。今、真に国際情勢のゆくすえをよく観ているのは誰なのだろう。)

 

細谷雄一さん、ありがとう。

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。