坂の上の雲 四

もはやわたしは小説を読んでいない。とうとうその域に至ってしまった。著者のあとがきだけを愉しんでいる。(本文はあとがきを確認するためにのみ読んだ。)

 

司馬さんはいう「乃木神話の存在がわずらわしい」と。おお、それを吐露してしまうほどに、本巻では乃木将軍の失策が(ほぼ当人の台詞なく)周辺の言動を中心としてリアル(?)に描かれ、それがために乃木信奉者の猛反発を一身に背負ってしまわれたのだった。並みの小説家ならそんなひどい目に遭うことは無かったであろう。それほど、司馬さんとはすごい作家なのだ。

 

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