流され王

沖縄の詩人・比嘉加津夫の詩画集(昭和60年刊)。かれの詩集を図書館等で捜していたのだが、流通本ではないのでなかなか見つからず、古書店で入手。写真左が詩集本体で右は函。絵はおなじく沖縄の前衛画家でふたりの阿吽の呼吸が感じられる。とにかく暗い、というか闇そのもの。闇から、冷め切らぬうめき声が聞こえてくる。希望のないような世界で、かといって絶望でもなく、達観でもなく、それでも生きている者の一声ひと声をすくいあげる孤独な闘い、そんな印象。

 

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