「厭書家」の本棚
昭和一桁うまれの骨太の爺だ。厭書家とはほんものの愛書家の異称にほかならないのだが、本に対して紳士で真摯なこの爺さんが発すると、なるほどと唸らされてしまう。読む時は、紫綬褒章とかいろいろ冠をたくさん貰ってなさる御仁であるこ…
昭和一桁うまれの骨太の爺だ。厭書家とはほんものの愛書家の異称にほかならないのだが、本に対して紳士で真摯なこの爺さんが発すると、なるほどと唸らされてしまう。読む時は、紫綬褒章とかいろいろ冠をたくさん貰ってなさる御仁であるこ…
全日本教職員組合(日教組から分離して出来た組合)の月刊誌。特集記事をどれくらい掘り下げているのか、今後の展望などを知りたくて予約・・・しておいたのに、ちっとも届かず・・・わすれたころにやってきた。 政策にか…
タイトルの邦訳「なぜ私たちは悲しい曲に惹かれるのか?」、そして表紙の美しさに惹かれて、ネットでサンプルを読書。ドイツの本だが英語だったので少し安堵。 著者はオーストラリアにあるシドニー大学の認知発達科学?の…
名だたる作家たちの文章をイメージさせるような文体もどきで綴った、いわばコント集だ。同じテーマでも、切り口がちがうと、それなりに面白いものになる証左といえる。 どれが一番おもしろいかと優劣を付けるほどのすぐれものでもないけ…
今日も木内昇の時代小説。といっても時代がさだかでない。 明治? 昭和初期? 異界に通じて不思議なものが垣間見える長屋を舞台にした小篇がいっぱい。 少年が体験したふしぎな話を、老婆はこともなげに 「そういうこともあるかも…
著者のおなまえを昇(のぼり)と読むと知ってから気になっていた作家。本格的時代小説を書いている。2013年刊行。 時代の空気がにおいたつような文章が光る。 書き出しがまた美しい。 ↓↓ 歩を進めると、足…
風邪引いて発熱してるときに手に取る本ではない。硬質でなおかつ600頁ちかくあるような本を。でも読みたくなるんだから仕方ない。(当然ながら読み切る体力は無い。だから本書のレビューはいずれまたあらためて、記したい。特に歌謡論…
ネット連載小説作家・山路こいしの本格ミステリー・サスペンス。イギリスの閑静な住宅地を舞台にし、クラッシック音楽の数々をも楽しませんとする作品。 彼が参加している小説投稿サイトの登録者数は110万人を超える。 http:/…
御歳88で出版された、それまでの7年間のエッセー88篇。父親がポッポやだったという文学者・中西進先生が旅にまつわるエピソードやウンチクをふんだんに盛り込んで、それでいて、旅する気分のようなふんわりした語り口で綴っておられ…
タイトルが間違っている、と思った。「志」の教育指導要領だ。 志の必要性を教育している実践者の著書として、言わんとするところはよくわかる。本書では言葉、言語化ということを重視しているんだから、教科書なんてこと…