(本日2冊目。これを本屋へ見に行って、「序」にやられて即買い。)石川裕子さんの書く序が秀逸すぎて、肝心の句を読む前に買ってしまった。
だから敢えて、その冒頭を茲に引く。
序
石川裕子
この本を読む方は、このなくもがなの数頁の後、現在の諏佐さんの瑞々しい俳句に出会うことになります。(一部、私にも覚えのある高校時代の句もあります)。その鑑賞を深めるような何ほどのことばも私には持ち合わせがありません。そこで、本文にはない彼女の何作品かを紹介することで、本文の「おまけ」とさせていただきたいと思います。
諏佐さんと私が・・・(以下略)。
諏佐さんという若い女性の(高校生時代からずっとつづく)かざらない日記を見せてもらったようなさわやかな感覚を味わう。お気に入りをいくつか記しておくことに。
泣き虫のポケットに入れてやる土筆
足と足触れて謝るこたつかな
春分や洗濯ばさみを買ひ替へる
原爆忌観葉植物手のかたち
醤油注し顔のやうなり冬温し
それから是非多くのひとに知ってほしいのは、カバーを外して現れるイラストの変化っぷり。人がいなくなっただけかと思ったら、扇風機の電気プラグがコンセントから抜いてある。これもまた「やさしきひと」だなあ。