著者・河田桟さんの前世はウマに違いない。賢くて、人間と会話したかったウマだ、きっと。このたびはウマと暮らすために与那国島に移住し、ウマとの付き合いでは素人の新人愛好家というスタンスで、ウマと対話する術を学習(するふりを)し、なおかつ公開しようと企む。 大胆なのに可愛らしくもある御仁。わたしはまず、河田さんと話したいなあ。
一番の感嘆点は、馬に関わる世界の垣根をうんと低くするのに成功していることだ。調教師や馬術熟練者などだけが経験で会得した感覚を、素人のことばで語ってくれている。それに、河田さんの熱量に呼応して装幀・イラストの細部にまで、ウマ愛が満ち満ちている。出版社ともウマが合うんだ。
巻末にくわしく紹介されている、馬語関聯本はみな外国の本。邦訳販売されているのは(本書発刊時点で)1冊のみか。書名のみメモしておこう。
『馬と踊ろう』クラウス・フェルディナンド・ヘンプフリング/大久保登喜子訳/日本競走馬協会(非売品)
『Natural Horse-man-ship』Pat Parelli,Katby Kadash著 ※Youtubeで「Natural Horsemanship」あるいは「Pat Parelli」で検索すると豊富な動画、とある。
ど素人と言いつつも専門書にも会通し、無論、多くのプロたちに学んでいる姿も終始楽しげなのだと想像するばかり。河田桟さんのYoutubeもあった。