発売当時、読みかけて途中で閉じた記憶がある。きょう、何となく文庫版の末尾に書かれたリリーフランキーさんの感想文(解説とよぶらしいが)に触発されて一気読みできた。リリーフランキーさん(リリーさんと呼んでいいのかな)も、余命わずかの母御が携えて入院していたこの本を読み切れずに居たそうで、原稿依頼を機に読むことになったと綴っている。
わたしは以前、ゆうさんの私記と思うあまり、重くて読めなかったのかもしれないが、読み通してみて気づいたことは、ノンフィクションかフィクションかは問う必要がないだろう。主人公ゆうさんの「生命」に対する素朴で強靱な愛おしみを万人に知ってもらいたいとねがうばかりだ、わたしも含めて。それにしても、彼女の、その素朴さと強靱さの源は単に生い立ちやら環境だけでは解き明かせまい。過去世から魂が背負って生まれてきたモノとしか思えない。