図説 平泉 —浄土をめざしたみちのくの都

著者は岩手に生まれ、民間企業をへて岩手の博物館に勤務し、さらに地元の大学教授から平泉文化遺産センター館長をされている、平泉文化のプロフェッショナル。清衡を熱心な法華経信者だったと断定している。そのうえで「釈迦と多宝との中間を通る新たな形式の仏堂を創作したのではなかろうか」と清衡の原点解明に注力している。それに「図説」と銘打つだけの多彩な写真と説明は圧巻。

 

はじめて知った話題もある。わがくに最古の棟札に記された干支「壬寅(みずのえ・とら)」という吉日のはなし。陰陽道に由来する、水気の兄(え)を以て火気のはじまりである寅を抑える火伏の呪術なんだとか。へ~知らなんだ。そこまでこだわって守ろうとしたお堂は経蔵に違いないと推測している。

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