本のタイトルとしては黄昏客思(こうこんかくし)でいいのだが、表紙をみた時、まるで漢詩の一節のように映ったので、こんな紹介にしてみた。事実、目次もこんな感じなのだ。
主客消失
可憐愛惜
往時渺茫
雅俗往還
秘匿恍惚
人〓多事
孤蓬浮雲
日日颯颯
九皐陋巷
南去北来
線描刻印
鏡像交叉
水影破砕
文人清韻
凛冽可憐
詩心残心
行路峻嶮
柳風駘蕩
幼時永遠
昨日の松浦寿輝さんの本。今日は何だろう? エッセーに分類されるようだが、文学作品を縦横無尽に解析しながら自身を語る独白のようだ。あとがきで「吉田健一とはやや違ったかたちで」と付言しているのがまた粋な。