その昔、TVで百恵ちゃん主演の赤いシリーズてのがあったなあ、なんて思いながら本書を手に取った。そして、日本の医療基礎研究の実態を見る事になった。
2012年ころから本格的に騒がれた、高血圧治療薬をめぐる不正事件・・・をわたしは思い出せないでいる。記憶に残っていない。この本では、研究不正の疑義をはじめから呈し続けた著者の目で全容を記している。逮捕者まで出たなんて異常な事態といえるのだが、新薬をめぐる利権やらなんやらどろどろ。
この事件は幸いというか決着の付くところまで騒がれた。でも、疑問を呈する人があっても無視されたり握りつぶしたり、そんな事例がごまんとあるのだろうと確信するに至ったことがこの本の収穫か。