1986年刊。今(2017)から見ると古いのかもしれないが、国際化から取り残されている日本の民俗学が抱える問題を考察するために、「現代民俗論」勃興期に立ち帰って読みたい。
【内容】
現代民俗研究の分野に先駆的な鍬入れをし斬新な問題提起をしつづける著者が、都市、女、子ども、若者、移民社会などの中に混在、隠在する現代の民俗事象を抽出し、解読する。
【所感】
靖国神社を民族学的にみると・・・なるへそ。東京招魂社の設立がもたらした民俗学的意味か。鎮魂・招魂、戦争犠牲者追悼、そのあたりの歴史をおさえておかねば。
それと、
宮田先生が存命なら、(その専門ではないにしても)世界の難民問題と受容について、特に日本の立ち位置について、国際比較の上からどんな見解を示されただろう。昔のことをほじくっているだけが民俗学ではないだろ。誰かそういうこと提示しないのか。