藤富保男さんの詩は、ハズレなしって印象で、いつ出逢っても頭のコリや痺れを癒やしてもらえるというのがわたしの感想。その偉大な詩人の追悼というので即買いしたが、筆を執る人ごとに違う一面を教えていただいて改めて感服した。「言語を信用しないで書く」人であり、「人間字引」「困った詩人」「歩くパイプオルガン」「一読したときの面白さが全方位的」「ピアノそのものになってしまったピアニスト」(表紙絵も彼の作品だ)「爽迷詩人」「公立中学校の英語教師、サッカー部顧問」「不死身だったはず」「素敵な人間嫌い」etc…
かれの詩学と題したページには、著作の多彩な断片が披露されてある。
僕は詩を書く気はないし、書こうとも思っていないのである。僕が書いているのは、何となく詩らしいフォルムをとりながら、噴流のように発射するがポエジイを人為的に加工して記述しているだけで(以下略)
『藤富保男詩集』(思潮社、1973年)
謹んで哀悼の意を表す。合掌
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