江間章子さんの叙情ゆたかな筆致で描かれた佐川ちか、饒正太郎、伊東昌子ら。死後も詩集が出る佐川ちかと違い、脚光を浴びることなく消えそうな者たちと作品に光をあてる、同時代人江間章子さんのぬくもり(のほかにもいろいろ混じった感覚もあろう)が切ない。
表紙デザインは見ればみるほど精緻で飽きない。前川直さんの装幀。目次の反対ページにさりげなく載っているのは
1936年5月。世界一周の旅で日本を訪れたコクトオから著者におくられた署名
カッコイイ本の作りだ。
本書の内容は、稿をあらためて記録したいもんだ。特に、「華麗なる回想・佐川ちか」については。