千年、働いてきました: 老舗企業大国ニッポン (新潮文庫)

にっぽんの老舗企業よ、あっぱれと日本贔屓だけかと思ったら、本質は支柱にある老舗経営者らのいわば日本的「志」へのエールであり、アジア諸国に対するひそやかな期待を(いささかの絶望も含みつつ)込めての執筆だった。日本的老舗、それはとりもなおさず朝鮮半島渡来人をはじめとするアジア的文化に根ざした歴史を有している。現在、日韓をはじめぎくしゃくしているのは為政者の所産であって、経済人・文化人の歴史とは別次元のように思える。

 

ところが、である。かつては考えられないほどにアジア諸国が経済発展しているさまは西洋諸国の後追いでしかなく、アジアが秘めてきた独自の文化の香りはどこへやら。

 

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