予約本が届く。来日8年の韓国タレント、カン・ハンナ女史の初歌集は等身大そのものの生活歌が並んでいて、この1冊で彼女の喜怒哀楽はもちろん日韓のはざまにあるこころの揺らぎや、実母への思いなどが素直に読み取れる。詠み人を意識しないで鑑賞するとき、巧いとはいえないが、人となりが見事に滲んでいて好感が持てる。
お気に入りは、こんな歌。
猫舌と知りながら母は熱々のコーヒーを出した旅立ちの朝
結婚はタイミングだと言われた日 独りの部屋でおなら出し切る
寂しさに効く薬など見つからずひりりと辛いキムチほおばる
それにしてもわずか数年で、短歌をよめるにまで日本語を習得なんて凄いのは言うまでも無いが、短歌を通じて日本語力が高まったのは確実。ならば、日本人はもっと短歌を詠んで日本語を磨きたい。