実に重い。2009年に演出家としての人生を終えた著者の竹内敏晴は聴覚言語障害児で、耳が聞こえるようになったのは中学のとき、それも右耳だけ。そして四十四歳で話せるようになったという。だから声・ことばに対する向き合い方が凡庸ではない。芝居者(と称する)かれが口にする「出会い」とは、「客が舞台を見終わって外に出て……世界がなにか今までと違って見える、見知らぬものとして立ち現れる。そのようなことにならなければ……」と熱く語るところの出会いなのだ。
実に重い。2009年に演出家としての人生を終えた著者の竹内敏晴は聴覚言語障害児で、耳が聞こえるようになったのは中学のとき、それも右耳だけ。そして四十四歳で話せるようになったという。だから声・ことばに対する向き合い方が凡庸ではない。芝居者(と称する)かれが口にする「出会い」とは、「客が舞台を見終わって外に出て……世界がなにか今までと違って見える、見知らぬものとして立ち現れる。そのようなことにならなければ……」と熱く語るところの出会いなのだ。