読書 木村素衞――「表現愛」の美学 (再発見 日本の哲学)(著) 小田部胤久 2021.08.26 junyo 木村の言葉を借りるならば、「歴史に於いては一定不変の過去と云うものは存在し得ない」(「意志と行為」二一五頁)、ということである。芸術史の秩序はその都度完結している、すなわち芸術史とはまさにあるべき作品からなるが、そうであ…