南無妙法蓮華経の五字七字

信者尋ねて云く 御抄に南無妙法蓮華経の五字と云ふ也 七字なるを五字とはいかなる事にや

示して曰く、御抄には五字七字ともあり。これは我等より帰命し奉る法ばかりを申すときには妙法蓮華経の五字なり。仏の御方よりこれを唱へよと命ぜらるゝに帰して我等より願ひ奉る言を帰命と、漢土には申す。梵語には南無と申す也。されば我等衆生より願ふ言と 願ひ奉る法とを一つに挙げて唱へ奉るときは七字也。其の御法のみを指して申すときには五字也。さやうなれば五字也とあるときも 七字と仰せらるゝときも さす所は上行所伝の御題目也

[私新御書抄 第三/おくりがな表記等を読みやすく改変]