飛ぶ教室66号(2021年夏) 特集:あの物語とその周辺
超有名な童話たちをモチーフに、その物語のマエとかアトなどを空想して描いた小編のなかで、圧倒的なおもしろさは「うさぎとかめ」を扱ったtupera tupera さんの文字無し絵物語だろう。特集の目次には本作は紹介されていな…
超有名な童話たちをモチーフに、その物語のマエとかアトなどを空想して描いた小編のなかで、圧倒的なおもしろさは「うさぎとかめ」を扱ったtupera tupera さんの文字無し絵物語だろう。特集の目次には本作は紹介されていな…
自分の中で長年もやもやしていた「言葉にならない何か」にひとつの名前を授けてもらった気がする。人はなぜ読書するのか? 「本」の世界に意味を求めがちだが、「本という考え方」の世界、そういう世界観こそが人を吸引しているのだ。 …
神宮輝夫さんの訃報に接す。20世紀を代表する絵本とまで言われたモーリス・センダック作『かいじゅうたちのいるところ』邦訳などで有名なお方。わたし的には神宮輝夫さん自身の文書作品みたいなものは無いものかと検索していたら、20…
藤井厚二建築著作集(全10巻)が昨年出た。かれの主著『日本の住宅』も収録されている由。もともと高額古書だから半分あきらめていたけれども、新刊著作集ならどこかの図書館で読めるかもと期待しはじめた。どうやら広島県立図書館なら…
週刊誌ネタも週刊誌だから楽しめるということがよく分かった。1冊の本にまとめて連続一気読みしたら、ウザい! というのをごまかすように、結論めいた「おわりに」の最後にオルテガの言葉を延々引いてみせているのはある意味、巧い、か…
年齢云云に騙されてはいけない。直筆署名のふでさばきを見よ。少なくとも手指には微塵のおとろえも無い。この、地球人に酷似した生命體はわれわれとは異なる時間の流れを生きていて、きっと何百歳も生きるんじゃないか。ていうか、そもそ…
新刊予約本が届く。重いテーマに不釣り合いとも感じられる表紙デザインのみちびきに身を委ねてみたのだが、想定通り、専門的な情報満載(をずいぶんと咀嚼して素人に伝えようとする意図だけはしかと受納しつつ)で、ほんわかしたムードは…
1979年生まれの詩人を知った時にはすでに死後1年とは。読む前にそう知ったためだろうか、切なさを感じてしまうのは。否、まるで童謡のようなあどけなさを一杯拡げているのに、エンディングには、ちゃんと大人の女性が佇んでいるから…
広島原爆の日の新聞にノンフィクション作家・堀川惠子さんが熱く語っている。ほんとに熱い記事だ。 「明治以来、日本最大の補給・輸送基地だった宇品は米国の原爆投下に絶好の口実を与えた。(中略)新兵器を試したい米国には、どこでも…
今朝の愛媛新聞2面「季のうた」に自由律俳人橋本夢道さんの句が採り上げられている。 みつまめをギリシャの神は知らざりき 橋本夢道 その昔、東京銀座の甘味店のために考えられた句だという。夢道さんは1974年に71歳で没してい…