おいしいとはどういうことか(幻冬舎新書)

「野菜を手にしたら、とりあえずちぎって生で食べてみる。まずは、そこから始めましょう。」

この一文が、本書のすべてを物語っている。なぜそんなことをいうのか、を理解するために読む本。これは、京都の名店料理人の体験的「おいしい」論。全体的に格別の目新しさが語られているわけではないが、著者が生涯通じて体得してきた、いわば「料理道」の筋がピシッと一本徹っているのに傲慢さが無くて、安心して読める。

 

ところで、本書のセールス文に「食にまつわる究極の哲学」と謳うのは、いかがなものか。哲学者はどう思うのだろう。広い意味で哲学と呼んでもいいかもしれんが、やっぱり「学」ではないし、究極とは。。。

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