「混血」と「日本人」 ―ハーフ・ダブル・ミックスの社会史

わたし自身、混血ということば・文字を注視したのは初めてかも知れない。「日本人の血」概念そのものが曖昧模糊としているのに、自称100%日本人の血が流れていると根拠無く信じて疑うことすらない日本人がここにもいる。大半の日本人(とりあえず、外見上、警察の職務質問の対象者にされていない日本国籍者としておく)はこの国が日本人と外国人という二分法社会であることを意識すらせずに暮らしている、それこそが根源的な問題なのだ。

 

本書によって、思い出した疑問がある。現皇太子妃の結婚に際して血統に類する調査というか報道があったとき、国民の象徴として存在する天皇や皇室は総体としての「日本人の血」意識あればこそ成立しているのだろうか、との疑問だ。あわせて思い起こすのは、結婚や就職にまつわる身元調査での部落差別問題。根っこは同じであろ。

 

この本は学問的な定義などについて概観しつつも、実際に現場でおきている問題の多様性をしっかり掬い上げて見せてくれている点に最大の功績があると感じる。

 

[付記]

初めて知った史実、それは1920年(第一回)から1940年までの国勢調査にあった「民籍」の項目のこと。その後は国籍のみの集計というが、民籍調査の意味とそれが消失したことの意味がどうにも気になっている。

 

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