谷川俊太郎(著)
新潮社2003年刊
内容(「BOOK」データベースより)
詩人はいつも宇宙に恋をしている。作者にも予想がつかないしかたで生れてきた言葉が、光を放つ。「夜のミッキー・マウス」「朝のドナルド・ダック」「詩に吠えかかるプルートー」そして「百三歳になったアトム」。ミッキー・マウスもドナルド・ダックもプルートーもアトムも、時空を超えて存在している。
http://www.shinchosha.co.jp/book/401803/
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この本とは直接かかわりない話を少々。
ミッキー・マウスはウォルト・ディズニーが生んだ
スーパースターだが、
当初はあまりよいキャラではなかった。
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最初のミッキーマウスは酒を飲み、歯を剥き出しにしてタバコを吸い、ライバルに対しては猛然と殴りかかるネズミで
http://uedagakuen.com/public_html/student_room/Quiz/WaltDisney/mickey_mouse_chronicle.html
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こんな品の悪いミッキー・マウスのことをわたしは本書から思い起こした。
この詩集のなかにある「よげん」と題した一篇のおしまいに
こんな一節がある。
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そしてなおひとはいきるだろう
かたりつづけることばにまどわされ
いろあざやかなまぼろしにめをくらまされ
たがいにくちまねをしながら
あいをささやくだろう
はだかのからだで
はだかのこころをかくしながら
♪
そうだ、そうだ、
現代人はみんな
外見的にはすべてをさらしているようで実ははだかのこころを秘匿している。
そのことをずばり
谷川さんに突かれてしまった。
そんなわけで
わたしは「夜の淳要」を凝視しておこう
と考えたりしている。
※余話。
ミッキー・マウスのことを多くの人は「ミッキーマウス」と表記しているのに気づいた。「・」(中黒)が無いのだ。
(世の中には中黒の使用に否定的な人間もいるが、それはさておき)
谷川さんは明確に「ミッキー」と「マウス」を区切っている。ことばへのこだわりを感じた瞬間だ。